今週の一本

ADV、ノベルゲ、サウンドノベル、エロゲ、それ以外はRPGが大好きなゲーマーのゲームレビュー兼ゲームプレイ記録です。一週間に1本のクリアを心がけます。2022.10.30〜

アーキタイプ・アーカディア

www.kemco.jp

ケムコアーキタイプ・アーカディアをクリア。

そもそもやるきっかけはシナリオライター買い。もう既に何作かプレイしてるRさんの最新作。この方はシナリオのみならず作画もやっている(しかもかなりの高クオリティ)のため天才っているんだなってことを実感させられます。ちなみに氏の作品の中ではじめてプレイしたのは「結婚主義国家」という作品。

water-phoenix.com

これはかなりお勧めで、オムニバスの人間ドラマが好きな方は絶対にやったほうがいい。物語の線と線がつながる快感と高校卒業後、結婚しなければ死刑になるというトンでも世界観なんだけど、それでも物語を破綻させずにここまでおもしろい作品を作れるのは素直にすごいと思う。

他にも「一緒に行きましょう逝きましょう生きましょう」や「最悪なる災厄人間に捧ぐ」もプレイ済、この二つは結婚主義国家と打って変わってかなりダークな感じのSF色が強いのだけど、それでも面白く、妙な魅力を掻き立てる作品ですので、どちらもお勧め。

今回のアーキタイプアカディアも一緒に行きましょうと同じような人類滅亡後の世界が舞台となっているので、SF色が強めで、そこにSAOみたいな体感型MMORPGの世界を取り入れた異世界ファンタジーSFとなっている。そこから世界の謎を解き明かしていくのがこのゲームの魅力の一つかな。

 

以下ネタバレありの紹介と感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つーか、ケムコのゲームってコスパぶっ壊れてね!?

これってケムコの他のゲームにも言えることだと思うんだけど、この会社本当にゲーム価格安くて希望小売価格が4000円くらいで、実際の店舗だと3000円前後くらいで販売されてるんだけど、これ下手なフルプライスエロゲよりも全然ボリュームあります。まずすごいのがイラストに一切手抜きなし。わりとちょい役で一瞬しか出ないモブとかにもしっかり立ち絵つけてて、まじ恋かと思うくらい多かった

スチルの数を数えたら差分抜きで240枚。使いまわしも全然なく、物語中各キャラの回想シーンがワンピースばりにちょいちょい入るのだが、それもしっかり紙芝居みたいなスチルが用意されていて本当にわかりやすかった。

シナリオボリュームも前作の災厄人間がわりと2,3日くらいでクリアした印象だったから短いかと思いきや一週間以上はかかってしまったため、めちゃ長かった。はじめに紹介された5つのエリア全てでしっかりイベントこなしていくとは思わなかったよ。アニメ化したら間違いなく最低2クールは必要になるボリュームです

キャラクター達のイラストは本当に女の子がみんな可愛かった。異世界ハーレムを俺が作るとしたら、間違いなくこの子達をいれたいなと思うくらいRさんの画力とイラストセンスには感謝しかない。日輪騎士団の制服なんであんなにエロイんだろう…。でもアルティアもエロイ、リアもエロイそしてスティは俺の妹だ。

 

肝心の物語の中身について。

アバターというまあ手持ちポケモンみたいなキャラクターを「記憶カード」という形で管理して、自分自身の思い出の強さや共感力から戦わせるという設定ははじめてみたのでそれはおもしろかった。作中のキャラが

これは自分の過去と一緒に戦うゲーム。過去と戦うわけじゃない。

と言っていたのが印象的。他人の記憶カードをうばって人様思い出を使っても戦える。それには共感率という最大100%までいく数値を上げれば上げるほどカードは強くなるため、いわゆる感受性が高い、他者を思いやれる気持ちが強い人が強キャラになる印象を受けた。ただし100%にいけば最強がなわけじゃなくて、そこまでいくとモンスター化していわゆるまどマギの魔女化みたいな状態になってしまうため80%くらいが一番調子がいいという妙なリアリティのある設定もよかった。そのバランスをとるのが難しいんだよね、人間関係と一緒。うまく距離を取らなくてはいけない。(これはコミュ力のゲームだな。)

ちなみにそんな中で主人公は初っ端からちょっと感情が欠如したサイコパスっぽい子に見えるんだけど、ゲームを通して様々な感情を学んで、自分がこうしたい、と思う気持ちを身につけていく様にはちょっと感動した。

いわゆる現実としての荒廃した未来と、SAOみたにゲームに閉じ込められている人々という二重世界を行き来して進んでいくストーリーと最終的には地球人を実験体にした異星人という設定も出てきたりして、まあ本当にSFしてる。

 

でも個人的にはこのゲーム、SFとして楽しむよりは、キャラクター達が人間という者の醜い有様に悩み葛藤して、各々が自分の信条や理想を求めて闘いあう姿、それでも人間は美しい、間違いなんかないってことが作者伝えたかったテーマなのかなあと思う。原罪病は、人間の本質であるが、それでも我々は生きていかなくてはいけない。

 

ケムコ作品としては2作目になる本作。Rさんの次回作、また楽しみにしています。

 

アーキタイプ・アーカディア - Switch